ネコ、広告的にHoloLensを考えてみた。
こんにちは、元広告屋のネコです。

話題のHoloLens!先日、弊社にも導入しました!そして、初体験~!
(ちなみにネコはエンジニアではないのでテック系の記事ではありません。)

HoloLensってなに?というおさらいから。
読み方は「ホロレンズ」です。一言でいうと「ホログラムが見えるゴーグル」。
形状はゲレンデでつけるスノーゴーグルみたいな感じです。
よくVRゴーグルと比較されますが、割と別物。 VRは360度別世界が見えるゴーグルですが、HoloLensは何もしない限りホログラムは現れないので、
仮想現実を見るアイテムというより、現実に対して何かする(拡張する)アイテムっていう感じです。
ホログラムとは、SF映画の通信シーン等で通話相手や地図、アイテムなんかが空間に表示される半透明のアレですね。
そのSF映画のワンシーンのような体験ができるゴーグル、それがHoloLensです。

かぶった瞬間「うおー!なんこの未来感!すごーい!」ってなる、小並感溢れる私なのですが、
代理店にいた元広告屋として、この未来感すごいアイテムを広告的に見るとどうなのか、考えてみました。
現在HoloLensを使って考えられる広告クリエイティブの可能性は、たぶん2つ。
(…もしも世の中の8割もってる時代がくればものの見方180°くらい変化と思うけれど、あくまで直近のはなしで。)
1つ目は、まちなかにHoloLensを装備して出歩いちゃう属性の人にしか理解できないやつ。
2つ目は、弊社curiosityの得意分野でもあるアトラクション系イベント広告(ご相談おまちしてますw)

1つ目、それってどんなのよ?って話ですが、
例えばgoogleの有名な一行広告 http://news.mynavi.jp/column/svalley/091/
これ、googleのエンジニア募集広告なのですが、社名も内容も一切なし。数式だけ。
普通の人にはまったく意味不明、ほぼ模様かイタズラに感じるのですが…解ける方はどうしていきなり数式が!?と気になってしまうのかも。
わかる人にはわかる、むしろ「問いてやろうと思い、尚且つ実際に解けるうような奴」以外、およびでないってことですね。

いまHoloLensを装備して外出していても、自分が作ったもの以外で、フイのコンテンツに出会う機会ってないですね。
そこで突然視界に「Look Here!」の矢印がでてきたりしたらアツいですね!普段広告になんか見向きもしない人たちが絶対見てくれそうです。

そしてもう少し持っている人が増えてきたら、お台場のガンダム的な「等身大⚪️⚪️」や「直接投影しないプロジェクションマッピング」「ホログラム花火」なんて感じの屋外広告ががっつり流行りそう。あとキャラ系のカフェとか。物体じゃない分、会場費や設営費が抑えられてコストも削減?

そして2つ目の可能性、アトラクション系PRイベント広告。
ゴーグルの装着がやや難しいですが、現実の上に投影されることが想像以上によかったです。
自分も、周りの人も、そのままのまま、すぐそこに別世界を広げることができる。

2016年から大流行りしているVRは「仮想現実」だから当たり前なんだけれど
基本別世界に1人で入るし、誰かと入るにしてもキャラクターや何かを媒介して入る。
だからVRの中に広がる世界への没入感がすごくあって、ゲームなんかと親和性が高いのだと思うけれど、
HoloLensは完全に別世界ではないところが、広告に向きそうだなーと思いました。
広告的クリエイティブでは、広告する対象(商品やサービス)が、自分(消費者)にとってどういうバリューがあるのか?
ということを、いかに伝えるか、ということが重視されるので
現実の世界にある圧倒的な視覚情報量、それをそのままに広告情報をプラスできることって、とても意味があると思います。

普通の、テクノロジーなんて全然詳しくないような層にとって大事なのって「何かになる」ことだけじゃなく、
目の前に、伸ばした手の先に、友達の隣に、見上げたビルの横に「ある」ことの存在感。
イベントだって、仲間たちと行けるから楽しかったりするものです。
アトラクションの途中で変顔して笑わせあったり、グループでしかわからないサインを出しあったり、
気になるあの人の髪が風になびいてちょっと光を反射してる感じがいいとか。
今日履いてきた靴はやっぱりこのテーマパークにぴったりだった、テンションあがるー!とか。

それぞれの人や仲間たちが、それぞれ自分の文脈をもって生きていて、
HoloLensは、そのそれぞれの文脈がバーチャルによって分断されないことが、いいなと。

たとえば新しくできた飲食店のコンセプトが「お客様をおいしさの魔法で笑顔に」みたいなものだったら、
そのお店にHoloLensをつけて入ったら、ケーキの周りに魔法的なきらきらエフェクトが出現したり、
コミカルな小人たちが友達の手の上で作ってくれる(ように見せる)など、より具体的な世界観にお店のコンセプトを落とし込むことができる。
そしてHoloLensを外しても、同じ空間で起きた現象なので現実とバーチャルがゆるやかにつながることによって、
テーブルや食器、店内を見て、楽しい世界を思い出すことで常に価値を保管することができます。
ほかにも、
フレグランスが売りの柔軟剤のイベントで、触れると色とりどりの花が空間に舞うなんて幻想的なしかけなど、今までCMの中、つまり映像の世界でしか表現できなかったような表現を実際の消費者の手から起こせるようになります。
それって、当たり前のことのようでいて、結構すごい。

HoloLensの中だけでなく実際の演出に合わせて展開すると、リアルとバーチャルの境目がよりなめらかになってよさそう。

あとHoloLensでみた映像をPCで確認することもできので、
ホログラムで展開している世界のアイテムと一緒に写真を撮ることができるシステムの追加などするとより価値の高いイベントになりそうです。(ポケモンGOのARで、なんとか自分の隣にポケモンが並ぶようにと、何回も撮り直したことを思い出す!)

…と、割と絶賛してきましたが、機器そのものについての感想を最後に。
まず装着感は、斜めに装着する部分の装着が難しいのと、やや重いです。イベント等で使用する場合は鼻当て等を別途用意してあげられると親切だなと思います。たぶん鼻当ての位置とか欧米使用なので。
視界については、グラスの黒さは、サングラスみたいな感じです。
ホログラムが出る位置は中央のみなので、ホログラム表示画角外のものは脳内で補う必要がありあす。むやみに大きいものを出そうとすると、途中でホログラムが途切れてしまって全体が見えないくなってしまうので、ホログラムの発生のさせ方に企画的が必要だなと思いました。(配置してある場所が遠ければ全体像を表示できます)



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